都民の日の休日である10月1日、午前中はザッと降った雨もあがり、晴れ間も見える天候の中、冬芝の散布=オーバーシードの作業が行われました。専門性が高く、普段の機械と全く別の特殊な装置を使うため、この作業は全て専門家の手に委ねられます。
① エアレーション
地面に無数の穴をあけ、芝の根に直接酸素や浸透肥料を行き渡らせ発根を促進する効果と、表層が踏み固まってしまった地面を柔らかく保ち、これから散布する冬芝の種をできる限り芝の下に潜り込ませるといった、様々な効果を見越して、まずエアレーションを行います。以前のレポートにもあった、根を喰い荒らす「オケラ」退治にも効果的があります。
この作業は、芝にダメージを故意に与えるため、1週間ほどは芝の状態が落ち込みますが、芝の自助作用を促進することになり、発根+新たなランナー(横に走る芝)が驚異的に増え、より密実な状況を作り出します。去年のオーバーシード時点では、エアレーションで刺激を与えるほど、芝の状態が良くなかったため、この作業は行なっていません。この1年で、しっかり夏芝が成長したわけで、とても嬉しい成長といえます。
② 冬芝の種まき
いよいよ冬芝を散布します。散布ムラが起こらないように、一定の速さで散布機械を押し歩きます。冬芝に使う品種は、専門家がベースになる芝の状態を見て、毎年内容を調整してくれています。今年は、通常使うペレニアルライグラスとRINOVOという大変高価な新品種の種を混合して使います。
前者は初期の発根と生育が極めて優秀で若干葉の幅が広く、後者は非常に細かな葉が密に生えます。前者が一気に茂り、その後からゆっくり密度の高い芝が生えることにより、冬場に向けて、少しでも長い期間、踏圧に耐えられる芝生を目指します。
ちなみにRINOVOは、あのFCバルセロナの本拠地、カンプ・ノウで散布する種と同じものだそうです!国立の芝とカンプ・ノウの芝、夢の共演が千小の校庭でくり広げられております(笑)。なんと素晴らしいことでしょう!専門家の方々も、良い芝・その場にあった芝を常に勉強し、色々と予算をやり繰りして、子供たちのために使ってくれています。その誇りをかけた心意気に胸が熱くなります。
③ 肥料-1 化成肥料の散布
そして本日最後の作業で、化成肥料を散布します。短期間で発芽と発根を促すとともに、エアレーションした場所には、ゆっくり長く効果が効くように、ここで化成肥料を散布します。
以下はこれからの作業になります。
④ 肥料-2 液体肥料の散布
10月10日を予定しておりますが液体肥料を散布し、ゆっくり10日かけて成長した冬芝の種を、即効性のある液肥でグッと成長させて、水分・栄養分の吸収を高め、成長を促します。
⑤ 刈込み:通常作業
長かった週3回の刈込みが終わり、今日から10月12日まで刈込みは一休み。そしてなかよし園の運動会1週間前の13日に刈込みを行い、成形をしながら刺激を与えます。以降は、週2回ほどの刈込みを、芝生の様子を見ながら続けます。これから地温が下がるにつれ芝の成長は鈍化し、刈込み自体がストレスに変わるので、慌てずゆっくり、長持ちする芝生作りに移行していきます。
なかよし園の運動会が10月19日、そして千小の運動会が26日に迫ってきました。刈込みの大きな作業以外にも、落葉や小石・小枝拾い、地面を平らに保つための目土など、最後の仕上げに向けた作業も、いよいよあと一ヶ月。みなで運動会に向け、芝生の校庭をビッカビカに仕上げましょう!