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目土は効果大!

補植を終えて12日が過ぎました。芝生の校庭は、順調にリカバリーが進み、大半の部分が、とても良い状況に仕上がってきました。夏芝の特徴である、細かな芝(葉)が密にしっかり立ち上がり、深い緑になっています。また、確実に温度が違い、芝の上は本当に涼しく、ヒートアイランド現象の軽減を実感できます。トンボも沢山飛んでいます。


夏は芝がとても成長する時期です。通常の刈込みは週3日、火木日の17時から行なっています。その時間になると太陽は体育館の裏に入り、その影が校庭を覆いますので、より一層涼しく作業ができます。夏休みの子供たち、仕事帰りの保護者の方も大勢参加し、とても賑やかです。

現在の作業は、通常の刈込みをロータリー(乗用芝刈り機)で行う班、そしてリカバリー途中で、ロータリーが入れない全体の30%ほどを、手押し芝刈り機で丁寧に刈り込む班、元々の土に含まれ大量発生しているホコリタケを細かく拾う班に分かれて作業し、最後に皆で目土(めつち)を行います。


この目土の意味ですが、、


①フリク(不陸)調整

フリクとは、建築用語で「水平でなく凸凹があること」を意味します。校庭の利用頻度によって、芝やその下の床土が踏み込まれ、削れたり落ちくぼみ、地面が凸凹になっています。この凹んだ部分に黒土を入れて、平らにならすことで、局所的な摩耗を解消する意味があります。


②ランナーの保護

芝は、そのまま伸ばすと上に上に伸びます。これを2〜3センチほどでカットしていくと、上に伸びても切られると認識し、今度は横に伸びていきます。この形態を匍匐茎(ほふくけい)と言い、2〜3センチ毎に、上に伸びる芽と下に食い込む根を出しながら、さらに茎(匍匐茎)が前進して茂っていきます。この匍匐茎をランナーと呼び、こうした成長の仕方にはイチゴやミントなどが挙げられます。

写真からもわかるように、この前補植した芝苗から、ランナーがどんどん伸びています!このランナーが、地面にしっかり根を下ろし、活着できるようにしなければなりません。その間のランナー保護の意味で目土をします。

芝生の場所で、ヒールやスパイク禁止が多い理由の一つは、このランナーを保護する意味があります。一度浮いてしまえば、枯れる可能性が高まりますので千小も同じです。


③保湿・保温

とてつもなく暑い日が続いていますが、こうした極端な高温も、ランナーには過酷な条件といえます。そんな中、目土に使う黒土(くろつち)は、ある程度の保水力があり、極端な乾燥を防ぐことができます。ただし地温上昇が考えられるので、いつもより散水回数を増やし、並行して地温を下げています。


代表的な目土の理由を挙げましたが、実際に千小の校庭で、抜群の効果を発揮しました!論より証拠、下の写真を見てください。

7/31の段階では、床土が露見しており、ランナーが横に進みにくい環境でした。そこで目土をしたところ、翌日朝には明らかに芝が増え、4日後には、かなりの範囲が芝生に覆われたことが分かります。かなり長い期間削れていた場所が、驚きの回復を見せてくれました!


足の裏で凸凹を感じ、凹んだ場所に目土をする。目土は1センチ程度にとどめ、絶対厚くし過ぎない。この教えを守り、子供たちが真剣な眼差しで目土をしています。力もなにもいりません。未就園児も集中して作業をしてくれていて、シバッカリィーズが最初に掲げた「子供たちが観察し、行動できる校庭作り」が、実現できていることを感じます。


以上が、今みんなで取り組んでいる「目土」作業となります。校庭の芝生は、毎日動いていて、飽きることがなく、毎日変化を実感できます。楽しい夏のシバッカリィーズの日々。またレポートしたいと思います。













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